[ オピニオン ]
(2016/11/16 05:00)
“爆買い”こそ目立たなくなったが、大阪の外国人旅行者の勢いは衰える気配がない。2016年1―9月に大阪府内を訪れた外国人は前年同期比35%増の711万人。すでに昨年の716万人に迫り、年間900万人を越えるのは確実だ。
関西圏無料Wi−Fiが始まり、外国人旅行客の大きな不満が解決できたことも理由のひとつか。ただ肝心の宿泊施設の不足は解消されていない。大阪のホテルなどの稼働率は80%後半と満杯に近い。ビジネスマンの出張でも特に平日の宿泊費高騰とホテル探しに苦労すると聞く。
政府が民泊の最低滞在日数を現行の6泊7日から2泊3日に緩和する政令を決めた。大阪市はこれを受けて12月に対策チームを設置し、民泊を活用した宿泊客の受け入れ環境整備を急ぐ方針。実態に近い短期間の民泊が可能になれば、いずれ大阪のホテル不足も解消に向かうだろう。一方で民泊の増加は、近隣住民との軋轢(あつれき)を生む心配もある。それも視点を変えれば、庶民がグローバル化を感じる良いチャンスと言えるだろう。
外国人の姿が身近になっても、会釈と笑顔しか交流の手段がないのは残念。瞬時に多言語を自動通訳してくれる装置が早くできないかなと、つい夢を見る。
(2016/11/16 05:00)