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福島県沖、M7.4の地震−東日本大震災の余震

(2016/11/23 05:00)

  • 高台に避難し、心配そうに海の方を見つめる住民

福島県沖で22日5時59分頃、マグニチュード(M)7・4の地震が発生した。福島、茨城、栃木の3県で震度5弱、宮城県や秋田県などで震度4だった。気象庁は今回の地震を北西―南東方向に地面が引っ張られた「正断層型」と判断。2011年に発生した東日本大震災の余震とみられる。

福島県の震源周辺では1938年11月5、6日にもM7クラスの地震が発生している。断層面を境として、両側の岩盤が上下方向に動く場合を「縦ずれ断層」という。今回は縦ずれ断層のうち、浅い方の上盤側がずり下がる正断層型だった。

東日本大震災以降、正断層型の地震が各地で発生している。気象庁地震火山部管理課の中村浩二地震情報企画官は「陸側のプレートが東側に大きく動いている影響が考えられる」と、その理由を説明した。

東京大学地震研究所地震予知研究センターの平田直教授は「M7以上の地震は今後5年くらいは1、2年に1回起こる可能性がある」と指摘。「震災から5年も経過したから大丈夫と思ってはいけない」と警告した。

■最大1087戸で停電

22日に福島県沖で発生した地震について、関係各社・団体によると、揺れが大きかった東北地方や北関東地域を含め、電気や都市ガスの供給が止まっている地域は22日正午現在ない。ただ東北電力管内の福島市では地震直後にピーク時495戸、新潟県の三条市と燕市でも合わせて最大1087戸で停電が発生。このうち福島市内の停電は地震の影響で高圧配電線が大きく揺れ、複数の配電線間で電気がショート(短絡)したためと判明した。

東京電力ホールディングス(HD)の福島第二原子力発電所3号機では、燃料プールの冷却ポンプが地震の影響で、6時10分ごろから約1時間40分停止。揺れによる水位の変動を感知し、自動停止した。同社は機器に異常がないことを確認し、7時47分にポンプの運転を再開。

この間にプールの水温が28・7度Cから一時29・5度Cまで上昇したが、同社は保安規定上の制限値である65度Cに達するまで1週間程度の余裕があるとしている。

■県内大学が休講も

福島県内の大学では、震度5弱を計測したいわき市内にある東日本国際大学といわき短期大学が22日の授業を全面休講とした。両大学はともに学校法人昌平黌が運営し、同じ敷地内に校舎が立地する。建物や設備の被害については、同日12時時点で大きな亀裂や落下物は確認されていないが、「詳細は調査中」(総務担当)としている。

同じくいわき市内にあるいわき明星大学は、1時限目から通常通り授業を実施。ただ、学生には無理に登校しないようにホームページなどを通じて呼びかけた。「地震を理由とする授業の欠席は配慮する」(入試広報担当)方針だ。

震度4を観測した福島市内にある福島大学は交通事情に配慮し、1時限目(8時40分―10時10分)の授業を休講とした。同じ福島市内にある福島県立医科大学は、1時限目から通常通り授業を行い、建物などの被害も特に出ていない。

郡山市内にある日本大学工学部は12時時点で「建物などの被害状況は確認中だが、授業は通常通り実施している」(庶務課)。会津若松市内にある会津大学も、特に授業に支障はなかった。

(2016/11/23 05:00)

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