[ オピニオン ]
(2016/11/29 05:00)
埼玉県は企業誘致のためのセミナーを毎年、大阪市で開いている。同県の上田清司知事も出席する力の入れようだ。
担当者の説明によると、愛知以西の西日本の企業は同県の立地件数のうち1割程度。ただ東日本の企業に比べて、投資額や拠点の面積が倍ぐらいになる傾向がある。西日本と首都圏の両方に拠点を置く“二眼レフ”の構想を持つ企業が、東京に隣接した埼玉に興味を抱くケースが多いとか。
上田知事は企業誘致を本格的に始めた2005年1月以来、10年9カ月で884件を誘致したなどの実績を紹介。その上で「埼玉は(東日本の)交通の要衝」「埼玉はいま力をつけるべく努力をしている」と熱くアピールした。
他にも首都圏の巨大なマーケットや労働人口の豊富さなど、もともと企業立地の魅力が多い県。講演後の交流会には県や県内の市・町のブースがいくつも並び、150人以上の参加者に職員がていねいに説明する姿がみられた。
知事と名刺交換しようという長い行列ができ、最後まで多くの人が取り囲む。なるほど毎回、訪阪するだけのことはある。「継続は力なり」ということか。地元の強みを生かしたトップセールスは、他の自治体も学ぶべきものが多いようだ。
(2016/11/29 05:00)