産学共創のステージへ（１）幕上がる「ＯＰＥＲＡ」

■大学が企業をつなぐ■

政府が主導する大型の産学共同研究プロジェクトが動き出した。東北、名古屋、広島、山形の４国立大学をそれぞれ核に、東京エレクトロンやマツダなど５０社以上の企業が参画。融合型エレクトロニクス技術やゲノム編集、軟らかい有機材料を用いたロボティクスなど新産業創出に挑む。基礎研究の段階で異業種が連携し、事業費を国と産業界が折半するのも特徴だ。産学官で革新領域を共創し、日本経済の再生に結びつける。

【年間１０件目標】

文部科学省・科学技術振興機構の２０１６年度の新事業「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム（ＯＰＥＲＡ＝オペラ）」。オープン＆クローズ戦略を本格的に導入した日本初の大型産学共同研究だ。

従来の産学共同研究は各企業の事業に近い開発研究の「競争領域」が中心。産学が１対１で組むクローズな関係で、企業からの研究費は１００万―２００万円と少なかった。

Ｏ...