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[ 科学技術・大学 ]
(2016/12/20 05:00)
NTTは19日、名古屋大学と住重試験検査(愛媛県西条市)と共同で、宇宙から降り注ぐ宇宙線によって引き起こされる電子機器の誤動作(ソフトエラー)を再現する試験方法を確立したと発表した。従来比100倍となる、自然界より1億倍速いスピードで中性子を発生する小型加速器を利用。半導体素子を積んだLSIや電子機器システムの数センチ―約50センチメートル角の領域に中性子線を当て、動作などを検証する。
電子機器の信頼性向上に向けた「ソフトエラー試験サービス」として、NTTアドバンステクノロジが同日から提供する。ソフトエラーによる故障発生率を予測できるほか、ソフトエラーの発生を前提としたエラーの検出や対処法などを確認できる。部品や装置レベルの試験から、実フィールドまで適用可能なため、自動車や鉄道などインフラ系の利用も広く見込む。
研究により、2・4メートル×1・8メートル×2・0メートルの小型加速器を使い、ソフトエラーを再現するまでの時間が従来よりも短縮され、中性子線の照射エリアも制御可能になった。
半導体素子の微細化に伴って、宇宙線由来の中性子線によって発生する二次粒子の微小な電荷の影響を受けやすくなり、電子機器に対するソフトエラーの問題が重要性を増している。
(2016/12/20 05:00)
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