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[ 医療・健康・食品 ]
(2017/1/6 05:00)
京都大学iPS細胞研究所の山田泰広教授らは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の技術が、がん関連遺伝子の働きを変えることを発見した。がん遺伝子の働きは細胞の種類によって異なり、がんの発生や進展にはエピゲノム(後天的な遺伝子変化)異常が関与することを確認。エピゲノム制御・異常を治療標的にした、がん細胞の運命を制御する創薬開発の可能性を示した。
大腸がんの原因として知られる「APC遺伝子」に変異のある、大腸がんマウスモデルを実験に用いた。大腸の腫瘍細胞をiPS細胞技術によって初期化した上で、初期化腫瘍細胞(RTC)を作製した。
このRTCでは、APC遺伝子変異の作用が元のマウスと異なる結果が得られた。またRTC由来のキメラマウスを作ったところ、腸管に分化したものは再び腫瘍を作ったが、大部分が微小病変にとどまり、腸管以外の臓器では腫瘍にならないことも分かった。
(2017/1/6 05:00)