[ エレクトロニクス ]

山本電機・東北大など、デジタル微差圧計を小型化−サムスン系に納入

(2017/1/20 05:00)

  • 東北大などと開発した超小型のデジタル微差圧計「マノスターデジタルセンサQDP33」

【神戸】山本電機製作所(神戸市長田区、山本博和社長、078・631・6000)は、東北大学などと連携し、微小電気機械システム(MEMS)技術を使った業界最小クラスのデジタル微差圧計「マノスターデジタルセンサQDP33」を開発した。半導体製造装置に数十個単位で組み込み、最高0・1パスカル単位の空気圧変化を検知し、半導体の歩留まり向上に役立つという。量産体制を整え、韓国のサムスン系半導体製造装置メーカーにまず納入した。

山本電機製作所などはIoT(モノのインターネット)普及で、半導体市場の拡大を想定し製品化した。内蔵するMEMSチップは5ミリメートル角で、微差圧計本体のサイズは幅30ミリ×高さ30ミリ×奥行き30ミリメートル。

消費税抜きの価格は、圧力が標準レンジの500パスカル対応で6万円前後、超微圧レンジの25パスカル対応で10万円前後を想定する。初年度に1万2000個の販売を計画する。

2010年秋から専任技術者1人をつけ、東北大学マイクロシステム融合研究開発センター、MEMS関連ベンチャーのメムス・コア(仙台市泉区)と共同で開発を進めてきた。

今回のMEMSチップはメムス・コアに生産委託し、山本電機製作所が本社工場のクリーンルーム環境で双腕型ロボットなどを活用し、最終製品にする生産体制を構築した。開発費が累計1億円強、生産設備は金型代を含め約7000万円を投じた。

山本社長は「新製品を究極のデジタル微差圧計と位置づけた。今後も産学連携でさらなる小型化に取り組む」としている。

(2017/1/20 05:00)

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