[ ICT ]
(2017/1/27 05:00)
【AI(人工知能)ソリューション】
NECは人工知能(AI)研究で半世紀にわたる蓄積を持つ。中核となるアルゴリズムなどのAIエンジンは、海外の研究所などで磨きをかけてきたものだ。だが「技術ありきでは普及は難しい」との判断から、ソリューションビジネスに軸足を置いた。部門を横断したビッグデータ戦略本部を先導役に全社の力を結集し、データをいかに価値につなげるかに力を注いだ。
具体的には、まず課題解決や業績拡大などの目的を設定する。そのために必要な情報が何かを検討し、最終的にどういうデータを収集すべきかまで辿(たど)っていく。中村慎二ビッグデータ戦略本部長は「AIで将来を予測しただけでは価値につながらない。どうすれば価値につながるかの仕組みが肝心だ」と、導入の成果を重視する。
ソリューション群を支えるAIエンジンは顔認証に代表される世界ナンバーワンの技術と、物体指紋や異種混合学習などのオンリーワンの技術で構成する。「いろいろな課題に対応できるのは多様なAIエンジンを持っているからだ」(荒井匡彦ビッグデータ戦略本部シニアマネジャー)という。
例えばディープラーニング(深層学習)では試行錯誤も含めて機械がすべて処理する。しかし「なぜそう判断したか」という理由はブラックボックスとなる。これに対し、アルゴリズムの算式を見れば理由が分かるのがホワイトボックス型。ビジネスではホワイトボックス型の引き合いも多く、そこでは同社のデータサイエンティストもソリューションの一環として分析に一役買う。
ソリューション提供ではシステムエンジニア(SE)やクラウド部隊、知財・法務スタッフも集める。「全体を一つのプロジェクトとして動かし、総力戦で挑む。これが当社の強みだ」(中村ビッグデータ戦略本部長)と話す。企業や大学と協力し、ソリューションの数は年に10個程度増えていく見通しだ。(編集委員・斎藤実)
【製品プロフィル】
顔認証などのAI技術群「NEC・ザ・ワイズ」を中核に、映像監視や土砂災害検知・予測、商品需要予測、保守部品需要予測など22種類をAIソリューション群として開発・体系化した。例えば土砂災害予兆検知システムでは土砂の重量、粘着力、摩擦、土中の水圧をAIで分析し、砂斜面崩壊の危険性を見える化する。
(2017/1/27 05:00)
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