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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/2/17 05:00)
日本製鋼所は16日、新日鉄住金のシームレス鋼管を採用し、水素ステーション向け蓄圧器(写真)を開発したと発表した。5月に発売する。従来は鍛造した丸形棒鋼から削り出し、容器状に加工していたのを、筒状のシームレス鋼管を使うことで初期モデルに比べ重量を半分以下に、価格を3割それぞれ落とした。価格は将来的に半減を目指しており、水素ステーションの建設費低減に貢献する。
クロムとモリブデンを添加し、高圧水素環境下でも強度を保てるシームレス鋼管の量産品を適用した。サイズは直径約40センチメートル、長さ約5メートル。重さは非公表。2014年に開発に着手し、材料特性から最適な肉厚、熱処理の均一性などを何度も評価。その結果、高圧水素下での繰り返し使用回数10万回以上の疲労耐久性を確保した。日本製鋼所によると、高圧下で使う蓄圧器にシームレス鋼管を採用したのは世界初。
鋼管の製造は新日鉄住金和歌山製鉄所(和歌山市)。石油ガスの掘削に使う鋼管を蓄圧器向けに仕様を修正。これを日本製鋼所が室蘭製作所(北海道室蘭市)で熱処理し、ふたのねじ切りなどを加えて蓄圧器に組み立てる。低価格を武器に、今後建設される水素ステーションで半分超のシェア獲得を目指す。
18年には低合金製の容器を炭素繊維で補強するタイプも商品化する予定。同じく新日鉄住金のシームレス鋼管を採用する。
(2017/2/17 05:00)