[ 科学技術・大学 ]

レーザーで粒子加速−阪大が新手法発見、粒子線がん治療に応用へ

(2017/2/20 05:00)

大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの余語覚文准教授らは、レーザーの光を使って粒子を加速する新しい手法を発見した。必要なレーザー強度を従来比100分の1に効率化でき実際に陽子を光速の25%まで加速した。粒子線がん治療などの医療や、橋などインフラの非破壊検査への応用が見込める。英科学誌サイエンティフィック・レポーツ電子版に掲載された。

強いレーザーの光を使えば、イオンなどの微小な粒子を加速できる。しかし、イオンを1000万電子ボルト(光速の15%)を超えるエネルギーまで加速するには、従来は極めて高い強度のレーザーが必要とされてきた。

余語准教授らは今回、粒子加速の効率を上げる「時間幅効果」の原理を発見。イオンの一種である陽子を、従来の100分の1のレーザー強度で同等の効率(3300万電子ボルト)まで高めた。

粒子を加速する既存の加速器は、同等の加速エネルギーを得るために、数メートル程度の長さが必要だった。今回の成果を発展させれば、従来は加速器を使っていた粒子線がん治療や、インフラ非破壊検査の中性子源などにレーザーを応用できるようになる。

(2017/2/20 05:00)

関連リンク

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン