[ 金融・商況 ]
(2017/3/4 10:00)
【フランクフルト時事】業績不振が続くドイツ金融最大手のドイツ銀行は3日、財務体質の強化を目的に、80億ユーロ(約9700億円)程度の増資に向け準備していることを公表した。子会社の「ポストバンク(旧郵便貯金銀行)」の統合・吸収など事業戦略の見直しも進め、経営の立て直しを図る方針。
ドイツ銀は、リストラや過去の不正に伴う法的費用の負担が重くのし掛かり、2015年決算で過去最大の赤字を計上。16年も赤字となった。ドイツ銀は増資などの具体的な計画について「現時点では何も決まっていない」としたが、ロイター通信は関係筋の情報として、月内にも決定される見込みだと報じた。
ポストバンクについては、15年に策定した事業計画で、新規株式公開(IPO)による分離か売却を目指していたが、いずれも難航。このため計画を撤回し、ドイツ銀の個人向け業務部門と統合する案が浮上している。
郵便貯金をルーツとするポストバンクは、郵政民営化を経て、04年に上場。10年にドイツ銀が子会社化した。
(2017/3/4 10:00)