[ 政治・経済 ]
(2017/3/9 05:00)
日本貿易振興機構(ジェトロ)が8日に発表した日本企業の海外展開に関する2016年度調査によると、国内と海外の拠点再編に関する質問で、閉鎖などの対象となる「移管元」として中国を挙げる企業の割合が最多を占め、日本を上回った。「移管先」では東南アジア諸国連合(ASEAN)が最多を占めた。中国の人件費上昇などから、国内回帰やASEANシフトが鮮明となった。
アンケートによると、前回同じ質問をした14年度は移管元として日本が49・1%と中国(27・8%)を大幅に上回っていたが、16年度は中国が36%と日本(30・8%)を抜き、最多となった。
新たな拠点配置などを指す移管先の質問でも日本が14・6%に対し中国は13・8%となり、中国の魅力が薄れた。
移管元と移管先の質問から主な移管パターンを調べたところ、中国からASEANに移管すると答えた割合が最多だった。
ASEANを国別に分類し日本などと比べたところ、中国から日本へ移転すると答えた割合が8・5%と最も多く、中国からベトナムが8・3%と続いた。かつて中国は日本と比べて人件費が圧倒的に安いことが強みだったが、経済成長とともにその差が縮小。中国に拠点を置くメリットが感じられなくなる企業が増えている。
同じ調査で「海外で拡大を図る国・地域」を尋ねた質問では中国がトップとなったが、中国の割合は11年度の67・9%から16年度は52・3%まで減少。国内総生産(GDP)で日本を上回る中国は依然として一定程度の注目を集めているものの、関心が薄れている傾向が浮き彫りとなった。
この調査は16年11月25日から17年1月6日にかけて行われ、約3000社が回答した。
(2017/3/9 05:00)
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