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[ 商社・流通・サービス ]
(2017/3/20 05:00)
三井物産がスーパー向けに、タブレット端末付きの買い物カートサービスに乗り出している。タブレットを通じてクーポンや店舗・商品の情報を提供することにより、顧客への“お得感”の付与や利便性の向上が見込める。導入する店舗の売上高を底上げすることに加えて、国内小売り市場の活性化につながるツールとしても注目される。(土井俊)
三井物産が手がける同サービス「ショピモ」は、特別クーポンや旬の食材情報、店内マップなどのコンテンツをタブレット上に表示する。システムを利用する顧客は、小売店が発行する既存の会員カードの情報で認証を受ける。ショピモのクーポンを使って獲得したポイントは、既存のポイントとして付与される。また、店内に設置したビーコン(無線標識)と連動し、店内の場所に応じて適切なクーポンを表示するため、販売促進につなげられる。
2016年11月に、イトーヨーカ堂などの小売り3社が、一部店舗に先行導入した。現在、ほかの小売り事業者とも検討を進めており、三井物産として4年後に1500店舗への導入を目指す。
導入店舗は、カート利用のリピート率やクーポン商品の売れ行きが順調に伸びている。一方で顧客からは、タブレットの操作説明を聞くのが面倒といった声も聞かれたという。三井物産は、こうした顧客に対して「どうすれば使ってもらえるかが今後の課題」(ITサービス事業部の浅井洋一氏)と捉える。チラシを配るなどして、サービスの利便性やお得感を訴求することで、利用を促す方針だ。
また、スマートフォンと連携するサービスの拡充も進める。スマホ向けにタブレットと連動する専用アプリケーション(応用ソフト)を開発し、事前登録した商品を店内地図上に表示するなどの機能を強化。また、顧客ごとの情報配信用に人工知能(AI)の活用なども視野に入れる。
国内では人口減少に伴い、小売り・流通業界の競争が激化している。三井物産はショピモについて、「店舗の顧客をつなぎ留めるためのキーアイテムになりたい」(浅井氏)とし、小売り活性化を後押しする構えだ。
(2017/3/20 05:00)