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[ 科学技術・大学 ]
(2017/4/12 05:00)
大腸がんで転移や再発の原因となる幹細胞だけを死滅させても、幹細胞が生み出した寿命の短い細胞が先祖返りして復活すると、慶応義塾大学医学部の佐藤俊朗准教授らが発表した。
近年、幹細胞を標的とする新薬の開発が進んでいるが、完全に治すには既存の治療薬と組み合わせる必要があるという。論文は英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
大腸は正常な状態でも、幹細胞と寿命の短い細胞がある。幹細胞は自らも増殖を続けながら短寿命の細胞を生み出すが、短寿命の細胞は増殖できない。2種類の細胞ではそれぞれ特有の遺伝子が働いている。
佐藤准教授らは、患者から採取した大腸がん細胞を立体的に培養し、幹細胞に特有の「LGR5」遺伝子が働くと緑色の蛍光で識別できるようにした上で、マウスに移植した。
特殊な薬剤で幹細胞だけを死滅させると、がん組織の増大が止まったが、薬剤投与をやめると幹細胞が再び出現し、増大し始めた。観察の結果、幹細胞が生み出した短寿命の細胞が先祖返りし、幹細胞に戻ったことが原因と分かったという。
(2017/4/12 05:00)
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