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[ 科学技術・大学 ]
(2017/4/12 05:00)
産業技術総合研究所集積マイクロシステム研究センターの小林健研究チーム長と山下崇博研究員は大日本印刷と共同で、貼るだけで歪みの分布を監視できるインフラ点検用のセンサーシートを開発した。シート内に圧電素子を複数配置し、振動のばらつきを計測する。橋や高速道路など、インフラの異常監視に提案していく。
長さ5ミリメートル、幅1ミリメートル、厚み3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の圧電歪みセンサーとフレキシブル回路基板を2枚のフィルムで挟んだ上で、シート状にした。フィルムの片方は接着性フィルムのため、橋などのインフラ構造物の表面に貼り付けられる。
具体的には、橋の上を車が通過する際の振動を歪みセンサーで計測する。亀裂を入れたステンレス板で試験したところ、亀裂があると振動が変化し、歪みセンサーの信号が3―5倍に大きくなったのを確認した。高速道路橋で通過車両による橋の変形も計測することができた。さらに高速道路橋で歪み分布測定と屋外の耐久性能評価のほか、補修や補強を施した橋の経過観察の実証試験を行う。
インフラを常時監視すれば劣化状態の把握や異常検知など保守点検を効率化できると見込んでいる。今後、センサーシートの大面積化やシートに信号処理や通信などの機能追加に取り組む。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のインフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクトで開発した。
研究の詳細は12日に東京都港区のコクヨホールで開催のフレックスジャパン2017で報告する。
(2017/4/12 05:00)
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