[ 科学技術・大学 ]

改革・産総研(1)日本の技術 社会に還元

(2017/5/9 05:00)

産業技術総合研究所(産総研)の研究者には3者のボスがいる。所管する経済産業省と、共同研究先の企業、そして理事長だ。いま産総研は中鉢良治理事長の下、特殊なガバナンス(統治)状況にある研究者の意識改革をし、産業界にとって、よりインパクトのある研究を推進する。産学連携も「研究者」対「研究者」ではなく「組織」対「組織」でコミットする形に進化させた。中鉢改革の5年目を追う。

■外部との関係を強化

産総研は経産省傘下の研究所として、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維やアザラシ型セラピーロボ「パロ」などを実用化した。文部科学省傘下の研究開発法人や大学に比べ、実用化を強く志向する。学術界の成果を産業界に「橋渡し」することが使命だ。

【特殊な経営】

その経営は特殊だ。経産省の施策として研究計画と予算が設定され、共同研究先の企業からも研究資金を得る。経産省からは予算投入の成果を、企業からは投...

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(2017/5/9 05:00)

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