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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/10 05:00)
近畿大学薬学部の杉浦麗子教授らは9日、皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)の増殖を選択的に阻害する化合物「ACA―28」を発見したと発表した。
変異部位の異なる3種類のヒトメラノーマ細胞全てで細胞死を誘導できた。正常な細胞への影響が少なく、副作用が起きにくい新規抗がん剤の開発が期待できる。
研究グループは、がん細胞の多くで情報伝達経路である「ERK MAPキナーゼシグナル」が活性化している点に着目。メラノーマ細胞にACA―28を添加すると、このシグナルがさらに活性化され、リン酸化が進むことにより、細胞死に至ることを確認した。
正常細胞では添加しても約60%が生存できた。人工的にこのシグナルを活性化した細胞でも同様の結果が得られ、他のがんでの効果も期待する。
研究成果は日本分子生物学会発行の国際誌「ジェネス・トゥ・セルズ」に掲載された。
(2017/5/10 05:00)
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