[ オピニオン ]
(2017/5/16 05:00)
安心安全を最優先に、地域の実情に基づいた自動走行ビジネスを普及させたい。
宅配便の利用者が望む時間と場所で荷物を受け取る新サービスの実証が、神奈川県藤沢市内で始まった。事業主体のヤマト運輸とディー・エヌ・エー(DeNA)は2018年から自動運転車両を一部導入し、深刻化するドライバー不足の解消など対応を探る。
藤沢市は高齢者、共稼ぎ夫婦が多い地域という。買い物弱者を助けながら、日中など受け取り主不在時に起きる再配達の負担軽減を両立する地域と物流事業者の「ウィン―ウィン」を実証する、うってつけの地域だ。
地元商店街の理事長が「以前より売り上げが伸び悩む中、うまくいけば店舗が無い所でも買い物ができ、商店街が活性化する。トライすることはとても大切だ」と理解を示していることも大きい。
経済産業省によると、流通機能や交通網の弱体化で日常の買い物が困難な「買い物弱者」は全国で約700万人に上る。1000万人に達するのも時間の問題だ。
政府は20年の無人移動サービスの実現を見据え、専用エリアで無人走行の電動カートやバスを運行し、利用者を目的地に送る端末交通システム(ラストマイル)の実証を順次始める。
また、先端分野の技術革新が規制制度に阻害されないよう、事前規制や手続きを抜本的に見直す「サンドボックス制度」も国家戦略特別区域諮問会議で議論され、技術革新を後押しする動きを強めている。
大切なのは事業の継続性だ。補助金がなくとも、地域住民、事業者の双方がメリットを実感するビジネスを創出しなければならない。赤字による撤退を繰り返せば、自動運転サービスの未来を閉ざす。
地域の実情を掘り下げ、事業者と行政の役割分担を明確にした上で、拙速ではなく、緻密にスピード感を持って制度設計を進めてもらいたい。無人走行サービスの普及は高齢ドライバーによる交通事故低減にもつながるだろう。
(2017/5/16 05:00)
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