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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/5/22 05:00)
【ブリュッセル(ベルギー)=杉本要】トヨタ自動車の欧州販売の回復が鮮明になってきた。従来は少なかったハイブリッド車(HV)が小型車を中心に伸び、2017年の販売台数はリーマン・ショック前以来となる100万台超えを視野に入れる。同社の欧州のシェアは5%弱と他地域と比べて低いが、得意とするHVを中心に販売戦略を描き、安定的にシェア5%の維持を目指す。
17年の欧州販売計画(トヨタ車・レクサス車)は前年比5%増の97万5000台。ただ足元では小型スポーツ多目的車(SUV)「C―HR」や小型車「ヤリス」(日本名ヴィッツ)などのHVモデルの販売が好調。17年1―3月の販売台数は26万9056台(前年比11・4%増)と年販100万台超えのペースだ。この台数には主要市場の英独仏に加え、ロシアやトルコなど計53カ国が含まれている。
トヨタの欧州販売は07年に過去最高の約126万台を記録したが08年のリーマン・ショックで急減。現在は年間80万―90万台程度が続く。ドイツなど欧州勢の牙城であるほか、手動変速機(MT)が主流の市場でもありトヨタの得意とするHVが売れにくい事情もあった。
それでもトヨタは数年前から欧州でもHV販売を重視する方針を打ち出し、ヤリスなどにHVを設定。16年にはトルコの工場でHVモデルを含むC―HRの生産も始めた。欧州販売に占めるHV比率は16年時点で32%に高まり、20年をめどに50%にする目標だ。
トヨタの17年3月期の欧州地域は、現地通貨安や経費増で営業赤字に転落した。今後は新設計手法「TNGA」に基づく生産ラインをトルコに加え英国や他の欧州の工場にも展開する考え。トヨタの永田雅久常務役員は「台数より収益を安定的に出すことが大切。HVの拡販やTNGAを通じ収益力を高めたい」と話している。
(2017/5/22 05:00)
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