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[ 商社・流通・サービス ]
(2017/5/26 16:00)
イーディッシュ語、ビサヤ語、ダリー語―。一般には馴染みの薄いこれらの言語はそれぞれ、ドイツの一方言、フィリピンの一部で話されている言葉、さらにアフガニスタンの公用語の一つという。WIPジャパン(東京都千代田区、福良雄社長、03・3230・8000)の翻訳サービスは、こうした言葉を含め世界139言語に対応しているのが売り物だ。
ただ、充実した翻訳サービスの訴求につながる半面、限られた地域だけで話される言葉には、それほど大きな需要が見込めないのも事実。動機について、同社の上田輝彦会長は「一部については、今後失われていきそうな言語を保存しておきたい色合いが濃い」と説明する。
国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が2009年、世界の約2500の言語が消滅の危機にあると指摘して以降、それを食い止めるためのさまざまな手立てが講じられてきた。だが、今なお言語の消失が進んでいると言われ、「失われつつある言語との『つながり』を持っておくことが、その保存に向けた一助になる」(上田会長)とみる。
そんな上田会長個人も、「故郷の福井県に戻るたびに、方言が話されなくなってきたと痛感する」との思いを持つ。翻訳サービスを通じて少数言語を守ることも、世界に向けた立派な企業の社会的責任(CSR)といえそうだ。
(2017/5/26 16:00)