[ 中小・ベンチャー ]

FSテクニカル、震災対策に浮揚型タンク コンビナート改修提案

(2017/5/31 05:00)

FSテクニカル(東京都葛飾区、藤田正吾社長、03・5671・3134)は、震災対策事業に乗り出す。津波発生時などに石油コンビナートのオイル火災を防ぐ「浮揚型タンク」の共同開発を企業や大学に提案し、協力先を募る。政府や自治体などとも連携し、産学官で実用化を進める。遅くとも3年以内に浮揚型タンクの完成を目指す。

浮揚型タンクは、カーボンファイバーなど軽く丈夫な素材を使った巨大なフロートをタンク真下の地中に設置する。津波発生時に水がフロートの下に入り、浮力でタンクを水面に浮き上がらせる仕組み。1立方メートルで1トンほどの重さを持ち上げられるという。

同タンク周囲には複数本の支柱を配置し、上下に可動するように固定する。支柱の長さは地上10―15メートルの予定で、その高さ以内の津波に対応可能だ。既設のオイルタンクの改修工事によって浮揚型に変更できる。

FSテクニカルは現在、特許を申請中。浮上時に配管のバルブが外れ、自動的に閉じる仕組みなど19項目が盛り込まれている。産学と連携し、柱の強度などをより具体的に決めた事業原案を作るとともに、製造や維持・管理についても企業に協力を求め、実験を行う。

今後30年以内に70%の確率で発生すると言われるマグニチュード7クラスの「首都直下地震」では、火災による犠牲者が死者の約70%と想定されている。津波が発生し、流動物がタンクに衝突した場合、甚大な被害を及ぼす恐れがある。現在行政が提案する事業は流出油などの防止堤設置などオイル流出後の対策が中心だ。「オイル漏れを未然に防ぐようなものが必要」(藤田社長)とし、国や自治体に提案していく。

(2017/5/31 05:00)

関連リンク

中小企業・地域経済1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン