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[ 環境・エネルギー ]
(2017/6/2 07:00)
(ブルームバーグ)トランプ米大統領は1日、地球温暖化対策の国際的な取り決めであるパリ協定から米国が離脱し、米労働者に有利な新たな枠組みを目指して再交渉する意向だと発表した。
トランプ大統領は「離脱することにしたが、新たな交渉を始め、まとめることができるかどうか模索する。まとめられるなら素晴らしい。できなくても、それはそれで構わない」と述べた。大統領はパリ協定の条項が米国を犠牲にして中国経済を有利にすると指摘。パリ協定は「米国の富の大規模な再配分」であり「米経済にマイナスだ」と語った。
大統領がホワイトハウスのローズガーデンで閣僚や支持者、保守派活動家らを前に行った協定離脱表明は、気候変動問題への国際的対策を危険にさらす動きだと警告してきた企業経営者や世界の首脳、さらには ローマ法王フランシスコからの要望をはねつけるものだ。
トランプ大統領は離脱手続きに着手するが、パリ協定の規定によると、米国が正式に離脱できるのは早くても2020年11月4日で、次回大統領選の翌日に当たる。その間に、方針転換の余地が生じるとともに、次の大統領選挙の争点とされる可能性もある。
トランプ氏は大統領選中、気候変動を「でっち上げ」と呼び、15年に採択されて約200カ国・地域が参加するパリ協定について、米国の利益に「一方的に」反するものだと批判して離脱を選挙公約としていた。ホワイトハウスの法律顧問や一部共和党議員も、同協定にとどまれば、発電所の温暖化ガス排出量や燃料効率に関する規制撤廃を目指すトランプ氏の取り組みが損なわれかねないと指摘していた。
原題: Trump to Take U.S. From Climate Accord to Seek Better Deal (1)(抜粋)
(2017/6/2 07:00)