[ 政治・経済 ]
(2017/6/9 05:00)
経済産業省は、自動車・部品メーカーが標準的手法で設計を評価できる仕組みの構築に乗り出す。紙の仕様書の代わりにシミュレーションモデルを用いる「モデルベース開発(MBD)」を浸透させ、「すり合わせ」のデジタル化を推進。自動走行技術の進展などにより複雑化する設計関連業務を業界全体で効率化し、国際競争力を堅持する。政府が9日に閣議決定を予定する成長戦略「未来投資戦略2017」に方針を盛り込む。
サプライチェーン全体にMBDを浸透させるため、部署間、企業間で共通して使えるシミュレーションモデルの普及を図る。経産省は3月にトヨタ自動車や日産自動車、マツダ、デンソーなど10社程が参加した研究会でモデルの初版を作成、公表した。初版ではモデルの適用対象が燃費性能の評価にとどまっており、今後、適用対象を広げる方針。同時に、2次、3次下請け企業や要素技術を研究する大学などにもモデルとMBDの採用を働きかけ、2020年ごろの定着を目指す。
欧州など海外自動車業界では、MBDと親和性の高いモジュール型の開発が普及。すり合わせ型の日本よりMBDが浸透している。経産省は、電気自動車(EV)、自動走行技術などの台頭により設計が複雑化する中、MBDの活用が競争力を左右するとみて普及に努める。このため、すり合わせ型に適したMBDの実用化を図る。
(2017/6/9 05:00)
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