[ 機械 ]

MF―Tokyo2017/インタビュー(7)サルバニーニジャパン社長の松野雄次氏

(2017/6/23 05:00)

―足元の受注状況はどうですか。

「好調だ。景気回復の局面にあるのが理由の一つだが、それだけではなく『モノづくりを変える』という我々の提案が認められていると感じる。自動システムを活用して、コストダウンや省人化を図りながら付加価値を高める提案をしてきた。顧客のモノづくりを変えるお手伝いをしてきたことが、日本だけでなく、グループ全体の右肩上がりの成長につながっている」

―前回の出展よりも力が入っています。目玉の製品は。

「パネルベンダーとプレスブレーキを組み合わせた、フレキシブルベンディングセル『FlexCell』に大きくスペースを割く。実演もしようと考えている。この製品は2016年10月にドイツで開かれた『国際板金加工技術見本市』に出展した際、非常に大きな反響があった。今回、日本で初のお披露目となる」

―特徴は。

「プレスブレーキを手がける会社はたくさんあるが、パネルベンダーを生産する会社は限られている。この二つを融合したのはたぶん、サルバニーニが初めてだ」

―モノづくりをどのように変えられますか。

「例えば、パネルベンダーで全部の工程を終えられず、最後だけプレスブレーキで曲げるという場合、これまでは違う場所で別の人が担当していた。フレキシブルベンディングセルは、すべて同じ場所で作業できるし、どういう順序でやればいいかといった最適方法を機械から作業者に指示するので、熟練工でなくてもよい。また構成するプレスブレーキには、パンチ(昇降する型)の長さや、ダイ(機械フレーム下部に固定された型)の幅を自動で変えられる機能が付いている」

―ファイバーレーザー加工機「L5」も出展します。

「『L5』はラック・アンド・ピニオンという駆動方式を採用し、リニア駆動に比べ消費電力を大幅に削減した。また制御の仕方を工夫し、リニア駆動と同等の加速度を達成している」

【記者の目/日本での反響楽しみに】

プレスブレーキを使った曲げ加工は熟練工が必要とされる一方、作業の負担が大きく、人材不足が課題になっている。パネルベンダーと組み合わせたサルバニーニの製品は課題解決に向けた提案だ。自動化により負担が軽減し、熟練工でなくても作業が可能になる。「日本での反響を楽しみにしている」。松野社長の言葉は力強い。

(南大阪・村田光矢)

→ MF-Tokyo2017特集

(2017/6/23 05:00)

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