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[ 医療・健康・食品 ]
(2017/6/27 05:00)
潜在的患者は600万人にも
体調が優れない、イライラする、よく眠れない―。こうした症状がある中高年男性は更年期障害を疑った方が良いかもしれない。男性も女性と同様に更年期があり50代前後で心と体に変化が訪れる。症状を放置しておくと身体機能の低下だけでなく、うつ病やメタボリック症候群、生活習慣病などのリスクも高まるため、早期発見、早期治療が不可欠だ。(編集委員・村上毅)
男性更年期は「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」とも呼ばれ、加齢により男性ホルモンである「テストステロン」が減少することで、さまざまな症状が出る。国内での潜在的な患者は約600万人で、60代以上で2割、50代以上で1割が罹患(りかん)しているという。中には30代で発症するケースもある。
更年期障害は「うつ病」と誤解しやすく、特に男性更年期は認知度の低さから、更年期の症状に苦しんでいても分からないということも少なくない。
うつ病か、更年期かはテストステロンを検査することなどで判別できるという。男性向けエイジングケアを手がけるメンズヘルスクリニック東京(東京都千代田区)ではテストステロン値を測定する「男性力ドック」を実施している。
テストステロンのチェックのほか、身長や体重など体組成の測定、筋肉量や血管年齢、動脈硬化、骨密度など男性ホルモンに関連する全ての項目を検査し、精神面の診察も含めた総合的な視点で健康状態を検査する。一連の検査時間は約1時間で費用は約3万円。全国から月100人程度が受診するなど関心も高まっている。
男性更年期と分かれば対策も取りやすくなる。ストレスや睡眠不足でホルモン量は低下するため、食事や睡眠、運動といった生活習慣の見直しや男性ホルモンの補充などで症状の改善が期待できるという。(随時掲載)
【専門医は語る/メンズヘルスクリニック東京 医師・鈴木雄一郎氏、ホルモン変化量に注目】
男性の更年期障害は「うつ病」など精神的な病気と症状が似ていて区別がつきにくい。「男性力ドック」など専門的な検査で判別することが可能だ。
男性は「家庭」や「社会」、そして「生物」としての“役割”があり、男性力の維持が求められている。
男性力ドックは筋年齢や骨年齢、性機能年齢、ホルモン年齢などを問診し、「心」「体」「性」の側面から男性力を数値化して、総合的に更年期や健康状態を判断する。
男性ホルモンは20歳前後をピークに減少する。更年期障害は40―50代が多いが、20―30代で来院する患者もいる。
また、男性ホルモンが多い、少ないで更年期障害になるわけではない。問題は“変化量”だ。テストステロンが大きく減少した時に症状が出やすい。変化量を継続的に見ることも重要だろう。(談)
(2017/6/27 05:00)
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