[ 機械 ]
(2017/6/30 05:00)
■中島田鉄工所社長・中島田正宏氏−製品IoT化が課題
―主力製品のヘッダーやフォーマーの需要動向は。
「全体的には曇り。雨ではないが晴天とは言えない。かつてはユーザーの地域や業界などで受注の動きがはっきりと違った。最近はつかみどころがない。製造業全体が政治の影響を大きく受けているようだ。米国で大統領選挙の結果が出てからはメキシコで様子見が起きている。だからといって手をこまねいているわけにはいかない。代理店を通じた情報収集や部品供給の充実などに力を入れる。顧客との距離をいかに縮めるかだ」
―アフターサービスのニーズが高まっています。
「部品やオーバーホールの受注が増えている。そこで部品在庫の適正化に取り組んでいる。また部品の作り方は見直せる余地がある。例えば、昔は鋳物で作っていた部品を別の方法に変えることで価格を抑えられることがある」
―課題は何ですか。 「製品へのIoT(モノのインターネット)導入では機械が効果的に動き続けるかがテーマ。過度な監視で弊害が出ないよう気をつけながら進めたい」
(西部・関広樹)
■アイダエンジニアリング取締役常務執行役員・鈴木利彦氏−材料搬送装置を実演
―サーボプレスの高速成形に対応する材料搬送装置を開発しました。
「円筒状に巻いた鋼板(コイル)を連続的にプレスに送り出すコイルラインを従来より30%短くしつつ、SPM(1分当たりのストローク数)130の高速成形を可能にした。搬送装置のフィーダーの設定をプレス機でする。高速、省スペース、快適操作が特長だ。会場で実演する」
―自動車各社が、加熱した鋼板を成形するホットスタンプの採用を進めています。
「ホットの流れは一時的だろう。今後は骨格部品を含めアルミ化が進むと思う。アルミはキズが付きやすく、滑りやすい材料。このため搬送装置が重要だ。英ジャガーランドローバー、米テスラなどへの装置供給で関連技術を蓄積している。会場での搬送システムの実演は、難易度の高いアルミの角絞り加工だ」
―IoT(モノのインターネット)の導入状況は。
「新サービスを披露する。プレス機の原点に戻り、高品質のプレス成形を支援するものだ。荷重と振動のデータを集め、分析する」(六笠友和)
■アミノ社長・網野雅章氏−トライプレスで攻勢
―受注は堅調です。
「ホットスタンピングプレスなど2016年9月期は好調だった。17年9月期は設備導入のタイミングの波もあり、安定的な受注確保が難しい。16年9月期に比べれば売上高は減少するが、計画は達成できる見通し。全体的に、まずまず堅調状況が続いている」
―当面の課題は。
「自動車業界のマルチマテリアル(異種複合材)化へ対応だ。当社は量産用とともに、試作に使うトライプレスが得意。試行錯誤する中で、さまざまな要望を持つユーザーに対し、多様な用途に使えるトライプレスにもう一度着目し、攻勢をかけたい」
―出展の内容は。
「マルチマテリアル化に対応するトライプレスの実演展示がテーマ。メカニカルリンクサーボプレスはモーションコントロール設定の自由度があり、高精度で多彩な成形モーションを選択できる。油圧と同等の下死点保持能力を持ち、生産機とトライプレスに使えるが、今回はトライプレスに特化し出展する。冷間ハイテン、ホットスタンピング、アルミ成形を同一金型での連続加工も実演する」
(静岡支局長・伊奈淳一)
■板屋製作所社長・板屋太郎氏−使い勝手の良さ訴求
―出展内容は。
「最新のサーボモーターを搭載して精度や速度を高めたバネ成形機を中心に、新機種3台を含む8台を出展する。どれも便利さ、器用さをコンセプトに独自のアイデアを生かしたもの。使い勝手の良さを訴求していく」
―受注が堅調です。
「欧州、北米に進出して30年がたち顧客に広く認知されたこともあり安定している。海外比率は半分程度に抑え、国内も重要市場として引き続き力を入れる。小回りのきく営業、サービスを継続し、国内の顧客ニーズにしっかり対応する」
―開発の方針は。
「顧客目線を徹底し、使いやすさを追求していく。従来から最新技術の導入を積極的に進めるなど、便利で独自性の高い機械を提案してきた。顧客の生産効率を総合的に高められるよう、作業者の細かなニーズを満たす機種を展開していく」
―ソフト開発にも力を入れています。
「成形したいバネ形状を入力すると、プログラムのひな型が示されるなどのユーザー支援ソフトを提供。作業効率向上とともに初心者にも使いやすくし、付加価値を高める」 (千葉・曽谷絵里子)
(2017/6/30 05:00)