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[ 科学技術・大学 ]
(2017/7/6 05:00)
電気通信大学燃料電池イノベーション研究センターの岩澤康裕センター長らは5日、大型放射光施設「スプリング8」を使い、燃料電池触媒の働きをリアルタイムで評価・解析できるシステムを開発したと発表した。燃料電池内の電極触媒の反応や劣化メカニズムの高精度な観測が進展すると期待され、燃料電池自動車(FCV)用の燃料電池の高出力化や耐久性の向上につながる可能性がある。
開発したシステムは、スプリング8の大強度ビームを用い、燃料電池電極膜の構成要素(触媒層や電解質膜層)などの同一試料の同一カ所に対して、X線回折やXAFS(X線吸収微細構造)実験といった複数の手法で同時に計測できるのが特徴。一つの解析手法では、高い活性や耐久性を持つ電極触媒の開発設計指針を明らかにするのは難しかった。
また燃料電池内の電極触媒層は、試料ごとに違いがある。従来は異なる時期に別々の手法で別々に計測しており、結果の違いの原因解明が難しかった。
高輝度光科学研究センターとの共同研究。岩澤センター長は「どんな材料を使って触媒開発をすべきかなどのガイドライン策定につながる」としている。
(2017/7/6 05:00)