[ オピニオン ]
(2017/7/14 05:00)
はるか昔、地上を制した恐竜は、隕石(いんせき)の衝突や地球環境の激変によって絶滅した―。この常識を覆したのが、恐竜の中の「獣脚類」が現生鳥類に進化したという近年の研究成果だ。今は主流の学説になった。
つまり鳥は“生ける恐竜”ともいえる。そう言われればニワトリの脚やかぎ爪などは、どこか恐竜を思わせる。一方で古代の恐竜に羽毛や体温があったという説もあり、鳥と恐竜のミッシングリンクを埋める化石が海外で相次いで発見されている。
ティラノサウルス・レックスに代表される巨大な恐竜が滅びながら、より小型の鳥が生き延び、今日のように繁栄したのはなぜだろうか。理由のひとつは飛行能力の獲得だといわれる。「飛ぶこと」が生存競争において有利に働いた可能性は大きい。
日本では長らく、恐竜学者と鳥類学者の活動領域は別々だった。それが最近は共同で会合を開くなど、互いに歩み寄って研究を深めている。
間もなく夏休み。週末から千葉、横浜など各地で『恐竜展』が開幕する。日常をしばし離れて、最新テクノロジーで復元した太古の時代にタイムスリップしてみてはいかが。気候変動の危機にさらされる現代の地球で、絶滅を避けるヒントを思いつくかもしれない。
(2017/7/14 05:00)