[ オピニオン ]
(2017/9/29 05:00)
政界もスピード勝負だ。衆議院解散に打って出た安倍晋三首相に対し、すかさず「希望の党」を立党した小池百合子東京都知事。既成野党は右往左往するばかり。
「彼女は同性に嫌われない。そこが怖い」―。都議選の直後、元官僚と大手メーカー幹部から、同じ表現で小池さんの評を聞いた。「遠からず国政の台風の目になる」という分析も一緒だった。
かつては所属政党を転々とした末に「もう新党作るのに疲れちゃった」とこぼしていた小池さん。「原子力発電所ゼロ」など希望の党の政策の実効性には疑問も残るが、多くの企業トップが「イメージ戦略にたけ、度胸があってけんか上手」と認める。
28日の日本記者クラブの会見では自らの総選挙出馬を否定する一方で「消費増税の使い道の信を問うのはお門違い」と、厳しく首相を批判した。とはいえ人気に便乗して新党に集まる主義主張がバラバラな人材を、どう御していくのかは今後の課題。
安定政権を望む産業界は、今も基本的には安倍首相支持だ。ただ経済政策「アベノミクス」に行き詰まり感が漂う中で、小池さんの清新さは軽視できない。次は自陣営に有利な戦いの土俵を用意するスピード感が“安倍VS小池”の勝負を分けるだろう。
(2017/9/29 05:00)