田辺三菱製薬、イスラエル社を買収−米市場を開拓

• 

  会見する三津家社長

田辺三菱製薬は２４日、イスラエルのニューロダーム（レホヴォト）を約１１億ドル（約１２４１億円）で買収すると発表した。１０月に買収を完了し、完全子会社化する。市場の拡大が見込める米国で、ニューロダームが開発中のパーキンソン病の新薬を投入。すでに米国で認可を受けている筋萎縮性側索硬化症（ＡＬＳ）治療薬「ラジカヴァ」と合わせ、２０２０年度に米国で８００億円の売上高を達成するための柱としていく。

ニューロダームは０３年設立の神経領域医薬品の開発型ベンチャーで、パーキンソン病治療薬を開発中。すでに販売されている経口治療薬の「レボドパ」および「カルビドパ」の液剤化に世界で初めて成功した。

同治療薬を液剤化した「ＮＤ０６１２」を携帯ポンプで２４時間持続的に皮下注射する方法で現在、第３相臨床試験を進行中。１８年度に米国と欧州で同時申請し、１９年度にも発売する見通しだ。

三津家正之田辺三菱製薬社長は「ニューロダームは経口治療薬で明確に不足している点を補っている。イノベーションが薬価に反映されやすい米国で事業拡大させる」と意気込んだ。

米国のパーキンソン病患者は約１００万人で、病気の進行具合が中程度以上は８割程度とみられている。