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[ エレクトロニクス ]
(2017/7/29 17:30)
東芝の半導体子会社「東芝メモリ」売却をめぐる東芝と提携先の米ウエスタンデジタル(WD)の法廷闘争は、今秋にも審理が本格化する国際仲裁裁判所(パリ)に舞台を移すこととなった。WDが予備的な売却差し止めを求めた訴訟で、米カリフォルニア州の上級裁判所は28日(日本時間29日朝)、差し止めの是非に関する判断を見送り、決着を仲裁裁に委ねた。
28日の審理で上級裁は、東芝に対して資金払い込みなど売却完了の2週間前までにWDに通知することを命じた。命令の有効期間は、双方の代理人の選定など仲裁裁の審理準備が整ってから60日が経過するまで。WDにとっては審理前に売却が完了する事態が起きても、法的対応を取れる時間的余裕が確保された形だ。
審理準備は1~2カ月後には整うとみられ、上級裁の命令の効力は10~11月ごろまでとなる見通し。来年3月末までの売却を目指す東芝は「売却完了は早くても来年の初め」とみており、命令の実質的な影響はないと判断している。
両社の係争は合弁契約上、仲裁裁で解決すると定められており、東芝とWDはもともと仲裁裁を法廷闘争の「本番」と位置付けていた。判断が下されるまでには1~2年かかるとされ、途中で和解できなければ、最終的な判断まで差し止めリスクがつきまとうことになる。(時事)
(2017/7/29 17:30)