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[ 科学技術・大学 ]
(2017/7/31 05:00)
【長野】信州大学は、天間特殊製紙(静岡県富士市)などとの産学連携で、ナノファイバーを使ったリチウムイオン二次電池用セパレーターの量産技術を開発した。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂でつくるナノファイバー不織布を、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で補強。200度Cの使用環境に耐えられる。実際の生産に使う企業を募る。
開発したセパレーターは、厚さ14マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。使用に耐えられる温度はポリエチレンやポリプロピレンのフィルムでつくる既存製品が130度―150度C。開発した製品の耐熱性は世界最高レベルで、コストは従来のセパレーター並みだという。
連携したのは、信州大の国際ファイバー工学研究所と繊維学部、天間特殊製紙、信州大発ベンチャーのナフィアス(長野県上田市)、韓国でナノファイバーの商品企画を手がけるN2Cell。
微細で多孔性の繊維「ナノファイバー」をセパレーターに使うと電解液の保持力やイオンの移動性が向上。二次電池の効率が高まると期待されている。だが従来の同不織布は耐熱性に課題があり、製品化に至っていない。
同研究所の金翼水准教授は2008年に、高分子化合物に高電圧をかけてつくる「エレクトロスピニング法」を使ったナノファイバー生地の量産装置を開発。ジャケット、マスクなどを共同で開発した実績がある。
(2017/7/31 05:00)