[ 機械 ]
(2017/8/10 05:00)
住友重機械工業は2019年度までに、日本や中国など世界各地で精密減速機の生産能力を増強し、全体で16年度比2倍の年30万台以上に引き上げる。ベトナムでは18年に主要部品の生産も始める。中国を中心に工場の自動化投資が活発化し、産業用ロボットや工作機械の基幹部品である減速機などの需要が拡大している。ナブテスコも精密減速機、安川電機やパナソニックはサーボモーターの生産能力を増強するなど日系各社は供給体制の整備を急いでいる。
住友重機械工業は減速機の主力拠点である名古屋製造所(愛知県大府市)に加工機や組み立て設備を導入する。人員も増やして生産能力を拡大する。
中国・上海市の拠点でも設備や人員を増強して供給能力を向上。独バイエルン州の拠点では、従業員を増員して供給体制を強化する。
ベトナム・ハノイ市の拠点では精密減速機の主要部品を加工し、上海工場などに供給する。ハノイ工場は産業用のモーターや減速機などを生産し、これまでに加工技術やノウハウを蓄積している。人材も豊富な同国から部品を供給し、世界各地にある自社の生産拠点網を有効活用する。
同社は19年度までの中期経営計画で800億円の設備投資を予定する。精密減速機については16年度までの3年間の前中計比2倍の設備投資を予定していた。今回、計画を前倒しして生産能力を増強する。
ロボットなど精密な駆動制御に必要な減速機は中国を中心に世界で需要が拡大する。減速機では日系企業と中国など新興国企業では品質に差があり、日系企業が優位となっている。日系ロボットメーカー幹部は「今後も日系減速機メーカーに受注が集まるのでは」と見込む。
(2017/8/10 05:00)