[ 機械 ]
(2017/8/14 05:00)
【川越】入曽精密(埼玉県入間市、斎藤清和社長、04・2934・4633)とエルグ(群馬県富岡市、桐原正明社長、0274・62・2421)は、100マイクロメートル(マイクロは100万分の1)サイズの部材への金メッキ加工技術を確立した。半
導体検査装置や医療機器などに使う超微細部品に応用すれば、装置類の機能向上と高精度化に貢献できる。7年以内の量産化を目指す。
両社は100マイクロメートル角の真ちゅう製サイコロに表面処理を施した。肉眼ではほとんど確認できない部材へのメッキは珍しく「世界でも恐らく類がない」(斎藤入曽精密社長)としている。
入曽精密の切削技術で加工したサイコロに、エルグがメッキ加工した。エルグは微小部材への電気メッキを得意とする。今回は「通常のメッキ槽では小さすぎて、見失ってしまう」(桐原聡二郎専務)ため、専用の治具と電極を開発。リード線とサイコロを接触させたり離したりを繰り返しながら、メッキを施した。
入曽精密は金属の精密切削加工技術を確立している。ただ加工した部材に付着する切削油や削りかすなどの汚れを除去する必要があり、これが製品化へのハードルとなっていた。メッキによって、脱脂などの洗浄が施される上、耐食性や通電性なども向上する。
例えば、より微細化が進む半導体の検査装置「プローブカード」の端子や、手術支援ロボットの先端の関節部品などに応用できると見ている。今後は量産化に向け、低コストで加工できる手法を確立していく。
(2017/8/14 05:00)