[ ICT ]
(2017/8/19 08:00)
(ブルームバーグ)米国の映画会社は映画館チェーンの反対をよそに、新作映画を劇場公開の数週間後に家庭でレンタル視聴できるサービスを検討していると、事情を知る複数の関係者が明らかにした。
関係者によると、タイムワーナー傘下のワーナー・ブラザーズ、コムキャスト傘下ユニバーサル・ピクチャーズなどこの構想に意欲的な映画大手数社は、映画館チェーンの協力が得られなくてもこの事業を前進させる方法を巡ってアップルやコムキャストと協議に入っている。ただ交渉ではまだ、30-50ドル(約3300-5500円)の料金で新作のダウンロードを提供することに関し、双方に利益となる方法を見いだせていない。
ウォルト・ディズニーを除く大手映画会社は、ネットフリックスなど動画配信サービスの普及のあおりでDVD等の家庭向けエンターテインメント製品の販売が落ち込んでいることから、新サービスの投入で埋め合わせようと躍起になっている。映画館チェーンの合意が得られるなら「プレミアム・ビデオ・オン・デマンド(PVOD)」と呼ばれるサービスの収入を映画館チェーンと分配する可能性も協議した。だが関係者によると、映画館チェーン側は最大10年という長期のレベニューシェアリング契約を求め、映画会社側はそれを拒否した。
関係者の話では、大型新作映画を劇場公開から早ければ2週間後にデジタルダウンロードとして販売することで、映画会社は来年早々にもアップルやコムキャストなどの配信会社と合意する可能性がある。
そうした合意が成立すれば映画会社は映画館チェーンに対し、合意を受け入れなければこちらは映画ダウンロードの販売で見切り発車するとの最後通告を送ることとなる。一方の映画館チェーンは、早期ダウンロードが予定されている映画の上映をボイコットすることで反撃する可能性がある。
原題: Hollywood, Apple Are Said to Mull Rental Plan, Defying Theaters(抜粋)
(2017/8/19 08:00)