[ オピニオン ]
(2017/8/21 05:00)
連日、熱い戦いを繰り広げている第99回全国高校野球選手権大会。沖縄県代表は甲子園の常連、興南高校(那覇市)だったが、1回戦で逆転負けという結果に終わった。
まだ開会前、旧知の同校の関係者が寄付金集めに奔走していた。プロ野球の巨人に似た鮮やかなオレンジの地に、高校の紋章などを施したスポーツタオルが1枚1000円。手頃な価格だし、話題にもなると思ってささやかな協力をした。
聞けば同校では、甲子園出場が決まるたびに決勝まで進むことを想定した寄付金を5000万円も集めるのだという。なにしろ部員数が100人を超える大所帯。夏のレジャーシーズンの沖縄からの大移動だけでも、相当なコストがかかる。
敗退後、余った寄付金をどうするのか尋ねた。そのままバットやボールなどの備品購入に充てるという。つまり早く負けるほど翌年の予算が手厚くなる仕組みなのだそうだ。
興南の先発ピッチャーは1年生で、15歳以下の日本代表に選ばれるほどの逸材。敗色濃厚な中で登板した4番手投手も2年生だったから、まだ次がある。来年の夏は第100回の記念大会。敗戦を反省しつつ、豊富な“内部留保”を生かして捲土(けんど)重来を期しているに違いない。
(2017/8/21 05:00)