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[ 環境・エネルギー ]
(2017/8/24 05:00)
NTNは大型風力発電装置の主軸用で、寿命を従来品比2・5倍に伸ばした新型の自動調心ころ軸受を開発した。内部にころを2列並べて配置する軸受。通常は2列とも同じサイズのころを用い、接触角も一緒にするが、新型は風車特有の荷重のかかり方を考慮。サイズも接触角も異なる非対称とし、2列で荷重を適切に分担する構造で性能を高めた。24日から高付加価値品として提案する。2020年度に年5億円の売り上げを目指す。
新型軸受は出力1000キロ―3000キロワットの大型陸上風力発電装置の主軸用。従来品と同一寸法の設計が可能で、交換対応できる。新規設計の同装置に対しては従来品よりも内径が約10%小さく、質量は約30%軽くすることも可能で、昨今の軽量化ニーズにも対応する。
主軸用軸受は、風を受けて回転するブレード(翼)やローターなどの自重による垂直方向の荷重と、風による水平一方向の風荷重を受ける。ブレードに近い側(フロント列)のころよりも、リア列のころに大きな荷重が作用し、従来の内部設計では軸受外輪に剥離や割れが発生するケースがあったという。
このため、新型は水平一方向の風荷重を効率よく受けるよう内部設計を刷新した。具体的には、フロント列のころの長さは従来品より短く、接触角も小さく配置。リア列のころは長く、接触角も大きくし、フロントからリアに向けて作用する水平一方向の荷重をリア列で、垂直方向の荷重はフロント列で積極的に受けるようにした。
風力発電装置の世界市場は25年に16年比で約2割増の年約6700万キロワットと予想されており、軸受需要の拡大も期待できる。
(2017/8/24 05:00)