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[ 科学技術・大学 ]
(2017/8/24 05:00)
熊本大学大学院生命科学研究部の大塚雅巳教授らは、後天性免疫不全症候群(エイズ)の原因となるエイズウイルス(HIV)に感染した細胞を除去する手法を開発した。感染細胞に新規開発した化学物質を導入すると、ウイルスが細胞内に閉じ込められ、細胞死(アポトーシス)を引き起こした。この手法を発展させれば、既存薬と組み合わせて使うエイズ完治につながる治療薬の開発が期待できる。
HIVは免疫細胞のT細胞に感染すると、細胞膜につながれた化学物質に結合する。細胞膜に結合したウイルスが凝集すると、粒子状の構造を持つ感染性のウイルスとなって細胞外へ出て行く。
新しく開発した化学物質は、細胞内でHIVの持つたんぱく質を捕らえる働きがある。HIVは細胞膜で凝集できず、ウイルスのたんぱく質が細胞内に蓄積する。成果は英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
(2017/8/24 05:00)