- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2017/8/29 05:00)
明治大学総合数理学部の中村和幸准教授らは、連続犯罪の犯人の居住地を割り出す高精度の予測法を開発した。確率的手法の「ベイズ推定」に、位置推定で使われる「粒子フィルタ」を導入した。従来の推定法に比べ、犯行地点の数が増えても、絞り込みがより適切にできることを確かめた。
過去の犯罪データから、次の犯人の行動を推理する「プロファイリング」のうち、連続犯罪の犯人の居住地・本拠地を地図上で見つけ出す「地理的プロファイリング」には複数のモデルがある。ただ、それまでの犯行地点を使って数学的処理をするため、突出した「はずれ値」があると絞り込みが難しかった。
明治大の中村准教授と同大大学院博士前期課程2年の藤岡徳穂さんは、ベイズ推定に注目し、犯人はある密度関数の「犯行確率分布」に従って犯行地点を選ぶと仮定した。精度を上げるため、動画の被写体を自動追跡する「モーショントラッキング」などで使われる粒子フィルタ技術を導入した。高確率で居住地を発見できる捜索地域を割り出せるという。
八つの犯行地点をもとにしたシミュレーションを従来法とともに実施した。その結果、8割以上の確率で犯人の居住地をつきとめるのに、今回の手法がもっとも小さい面積となり、優れていることを確かめた。
英国で開発された地理的プロファイリングは、日本の警察でも研究が進められている。中村准教授らは従来の仮説と検証しながら、妥当性を検討していく考えだ。
(2017/8/29 05:00)
科学技術・大学のニュース一覧
- 早大など、腸内細菌で相次ぎ研究成果−関連疾患予防に糸口(16/07/28)
- 研究開発トップに聞く(2)YKK AP執行役員開発本部長・菅間信太郎氏(16/07/28)
- 産総研と地域企業・産業振興で連携(42)アツミテック−次世代を担う商品を目指して(16/07/28)
- 個性を活かす・国立大学改革(17)埼玉大学学長・山口宏樹氏「『産学官金』連携し事業化」(16/07/28)
- 広がる大学と中堅・中小連携(60)武蔵野美大・バンザイファクトリー(16/07/28)
- 学芸大、日本人学校の教員を派遣・養成−まずタイで連携モデル、教育の質向上へ(16/07/28)
- 徳島県・徳島大・防災研、災害対策業務の高度化で連携協定(16/07/28)
- 東京工科大など、「DNAのメチル化」頻度を2−3時間で簡単に測定する手法開発(16/07/28)
- 岡山理科大、来春に経営学部を開設−インターンより能動的カリキュラムに(16/07/28)
- 武蔵大、データサイエンスコースを新設−来年度、社会学部に(16/07/28)
- 文科省、来月1日にデータ統合・解析システムのシンポ(16/07/28)
- KAST、戦略的研究シーズ育成事業のテーマ募集(16/07/28)
- 神戸大、ホノルルに海外交流拠点(16/07/28)
- キーワード/日本型教育システム(16/07/28)
- 東京工業大学社会人アカデミー、9月から講演会「深海と宇宙」(16/07/28)
- 一橋大、10月15日にVBシンポ(16/07/28)