[ 機械 ]

難加工技術展・表面改質展、99社・団体が出展−付加価値向上へ先端技術・製品競う

(2017/9/8 05:00)

  • 意見交換する来場者と出展者

横浜市西区のパシフィコ横浜で「難加工技術展2017」と「表面改質展2017」(日刊工業新聞社主催)が8日まで開かれている。難加工技術展には61の企業・団体が、表面改質展には38社がブースを連ねる。難形状・難削材加工分野や表面処理技術は高付加価値製品を支えており、先端技術の展示が多くの来場者の目を引いている。

エリコンメテコジャパン(東京都練馬区)は溶射装置などを展示した。溶射は金属やセラミックス材を溶融しながら噴射し、基材の表面を改質する技術。比較的低温で噴射するため基材へのダメージが低く航空機産業や半導体装置の製造分野で利用されている。「溶射装置や材料の粉末などトータルで提供している」(美馬秀忠取締役)と話す。

京都電機器(京都府宇治市)はスパッタリング用電源装置を紹介。同電源装置には5キロワットの電源が二つ内蔵されているため、二つのチャンバーを一つの電源装置で稼働させることができる。内蔵の二つの電源を合わせ10キロワットの電源として活用することもできる。飯沼泰孝執行役員は「パルス出力でも直流出力でも利用が可能」と特徴を語る。

オリイメック(神奈川県伊勢原市)は、プレス加工の自動化装置を手がけており、今回は製造する超音波機器を出展。機械の主軸に超音波機器を取り付けるとドリルなどの工具の直進性が向上するほか、同じ加工でも超音波がない場合に比べ摩耗が少ない。会場ではビールに超音波機器挿入し泡のきめ細かさを“見える化”したデモンストレーションを行っている。

信栄テクノ(東京都大田区)は樹脂、金属、脆性(ぜいせい)材の加工を得意とする。直径0・2ミリメートル、深さ40ミリメートルの穴を切削加工で実現する。直径に対する穴の深さの比率であるアスペクト比は200倍。ガラスの球体やシャープペンシルの芯に開けた微細穴を展示する。高橋健太社長は「通常、切削加工のアスペクト比は5―10倍ほどだ」と違いを強調した。

医療関連加工・造形カテゴリーで唯一出展した、小松ばね工業(東京都大田区)は医療用バネを展示する。一見するとワイヤの様だが、材料線径0・03ミリメートル、外径0・14ミリメートルの精密バネ。材料はステンレスで、受注生産している。内視鏡やガイドワイヤの先端部に使用されているという。営業部営業第二課の高橋征郁課長は「産業向けバネも手がけているが、生産が海外拠点へ移るなどコストの競争が激しい。医療向けなど付加価値の高い製品を提供している」という。

(2017/9/8 05:00)

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