[ 建設・住宅・生活 ]

電源不要の自動窓開閉システム、東光電機が開発へ 水素圧力活用

(2017/9/12 05:00)

  • 昨冬に実施した実証試験

【札幌】東光電機工業(北海道岩見沢市、小林弘幸社長、0126・22・3456)は、水素吸蔵合金アクチュエーターを活用した自動窓開閉システムの開発に乗り出す。水素の圧力を生かし、電源がない場所でも温度変化に応じて窓の開閉ができるといい、農作物栽培のビニールハウスなどに使用できるとみる。10月頃からビニールハウスでの実証試験も始めるなど、2019年度の商品化を目指す。

水素吸蔵合金は、自身の体積の1000倍程度の水素ガスを常温・常圧付近で貯蔵できる。温度が高くなると水素を放出し、低くなると水素を吸蔵する特性がある。同アクチュエーターは、温度変化に応じて水素吸蔵合金から吸放出される水素ガスの移動を活用する。構造は同合金を入れた容器と、蛇腹とシャフトを設けたシリンダーをつなぐ。同合金部分が加熱されると水素を放出し、水素圧が上がることで蛇腹が押し上げられ、シャフトが上昇する。逆に合金部分が冷やされれば、シャフトは下降する。

この仕組みから、ビニールハウスでハウス内の温度が上昇すれば換気窓が開き、温度が低下すれば、換気窓が閉じるようにできるとみる。山中など電源がない環境でも自動的に換気ができ、コスト削減にもつながる。

16年12月―17年1月には試作品の実証試験を実施した。今後、ユーザーからの意見を反映させるなど改良も進める。この取り組みには北海道立工業技術センターや苫小牧工業高等専門学校などが協力する。

北海道の17年度「先進的エネルギー関連製品開発支援事業」にも採択された。

(2017/9/12 05:00)

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