[ 金融・商況 ]
(2017/9/29 05:00)
パラジウム価格が2001年以降で初めてプラチナを上回り、価格差は今後も拡大するとの見方が強まっている。主にガソリン車の排ガス浄化装置に利用されるパラジウムの供給が逼迫(ひっぱく)すると予想される一方、プラチナ需要は後退している。プラチナはディーゼル車の排ガス低減のために利用される。プラチナ1オンスで購入できるパラジウムの量は27日、0・9901オンスと01年9月以降で最少となった。
パラジウムの現物価格は今年に入って36%上昇。一方、プラチナは約2%の値上がりにとどまっている。価格パフォーマンスは、自動車販売のトレンドを反映している。一部の自動車メーカーが排ガス試験をめぐる不正を認めたことから、特に西欧でディーゼル車の人気が低下している。
中国の8月のパラジウム輸入が急増する一方、プラチナ輸入が減少したことを受け、パラジウムは27日に続伸。トレーダーらはパラジウム価格の見通しについて強気姿勢を示している。米シティグループは、パラジウム生産が向こう3年間、毎年100万オンス余り不足する可能性があるとみている。今年は77万オンスの不足。
(ブルームバーグ)
(2017/9/29 05:00)