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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/19 05:00)
大阪市立大学大学院理学研究科の坪井泰之教授と東海林竜也講師らは、超微細構造体上で100ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の粒子を安定的に捕捉し、自在に並べられる光ピンセット技術を開発した。ブラックシリコンを使用し、貴金属を使わないため低コストで発熱による破壊も起きない。結晶化や相転移、自己組織化など物質の変化の制御が期待できる。
研究で使用したブラックシリコンは太陽電池の反射防止膜での用途研究が進む材料。プラズマガスによって腐食処理したシリコン単結晶で、大面積の作製が容易。表面に長さ約250ナノメートルの無数の針状構造を持つ。
レーザー光を針状構造に照射すると、発熱せずにポリスチレン超微細粒子を安定的に捕捉した。光を動かせば捕まえた粒子の移動が可能。照射面積によって粒子を直線や平面に並べることもできる。
光ピンセットはレーザー光の集光点で微粒子を捕捉する技術。生物学の研究で活用しているが、物質が小さいと捕捉力が弱まり、DNAやたんぱく質など細胞よりも小さな物質の扱いが難しかった。貴金属を使った光ピンセットが注目されているが、コストや発熱などの課題があった。
(2017/10/19 05:00)