[ 機械 ]
(2017/10/24 05:00)
ジェイテクトが軸受のブランド強化に乗り出す。自動車向け円すいころ軸受で培ってきた独自の低トルク化技術を応用した、ほかの種類の自動車向け軸受も合わせて「LFTシリーズ」として打ち出す。ブランド戦略の真の狙いは自動車以外への拡販にある。自動車向けに強みを持つ一方、産業機械向けを課題としてきたジェイテクト。知名度を上げて、巻き返しを図る。(名古屋・戸村智幸)
円すいころ軸受「LFT」はディファレンシャルユニットのピニオン支持用に使われる。1980年代に初代を開発して以降、改良を重ね、現在展開するのは第4世代。第3世代に比べ毎分4000回転の場合、32%の低トルク化を実現し、自動車の燃費改善への寄与度を高めた。
30余年をかけ磨いてきた、この低トルク化技術。最近では玉軸受やハブユニット、針状ころ軸受にも導入を進めている。自信を深めた技術をブランド化しようと、これら自動車向け軸受4種類をLFTシリーズとしてまとめた。
トヨタ自動車グループのジェイテクトは車向けが強い。2017年3月期の軸受事業の売上高3754億円のうち7割が車向け。しかし産業機械向けについては「国内競合2社と比べて弱い」(安形哲夫ジェイテクト社長)。
競合を追い上げる武器と位置付けるのが低トルク化技術であり、LFTブランド戦略だ。低トルク軸受は車の燃費が改善するのと同様、産業機械についてもエネルギー損失低減に寄与する。今後、風力発電装置や鉄鋼設備など、さまざまな産業機械向けの軸受にもLFTシリーズの低トルク化技術を導入していく考えだ。
産業機械向けの主要生産拠点である国分工場(大阪府柏原市)は産業機械向けだけでなく自動車向けの研究開発機能も有しており、技術の応用が進めやすいという。「低トルク=LFT」というブランドを自動車で定着させ、産業機械にも広げられるか。ジェイテクトの軸受事業の新たな挑戦が始まった。
(2017/10/24 05:00)
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