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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/10/30 14:00)
(ブルームバーグ)パラジウム相場が今年高騰していることを知っているのはなにも市場関係者だけではない。最近のパラジウム相場上昇の影響をよく理解するには、シカゴの街角を見ればいい。
現地警察は23日付広報で、パラジウムを使用する自動車排ガス浄化装置である触媒コンバーターの盗難に警戒するよう住民に呼び掛けた。ソシエテ・ジェネラルのリポートによると、パラジウム需要の約75%は自動車用触媒の生産に関連している。
好調な米自動車販売で供給のさらなる引き締まりが見込まれる中、パラジウム相場は上昇している。パラジウムの年初来上昇率は約43%と、金や銀、プラチナなどの貴金属のパフォーマンスを上回り、スクラップ市場での需要を刺激している。
ゼイナー・グループのシニアバイスプレジデント、ピーター・トーマス氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「相場が上昇した際に盗難が起きるのは、一般的に言えば価格と供給力の問題からだ」と指摘。「何も聞いてこないお人よしのリサイクル業者を見つけた泥棒が、工具を持って車の下に滑り込む」と語った。パラジウム価格は先月、ディーゼル車の排ガス浄化装置に利用されるプラチナの価格を2001年以来初めて上回った。
ソシエテの金属アナリスト、ロビン・バー氏(ロンドン在勤)はリポートで、パラジウムが他の金属に置き換わる可能性について言及し、「自動車用触媒分野で代替品がいつ出始めるのかは大きな疑問だ」と指摘した。
(2017/10/30 14:00)