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[ 科学技術・大学 ]
(2017/11/10 05:00)
上智大学理工学部の堀越智准教授は、商品の流通など情報管理に用いる無線識別(RFID)上に貼り、マイクロ波を当ててもタグが発熱しないフィルムを開発した。RFIDは金属を含んでいるが、このフィルムを貼れば発火しない。コンビニエンスストアの弁当や総菜など、電子レンジ調理が必要な商品の容器に貼るなどの使用を考えている。2018年夏ごろの実用化を目指す。
堀越准教授は、RFIDを読み取るスキャンと電子レンジに使われる電磁波の周波数の違いに注目。RFIDのスキャンには周波数920メガヘルツ(メガは100万)の電磁波を用いるのに対し、電子レンジの電磁波は2・45ギガヘルツ(ギガは10億)と波長が短い。この差を利用し、920メガヘルツの波長は透過するが、2・45ギガヘルツでは反射するフィルムを開発した。
フィルムには、電磁波を周波数によって選択的に透過または反射するような模様を電気伝導性のインクで印刷する。模様のパターンを複雑化するなどで小型化し、一辺3・5センチメートル程度のフィルムを作製できる。
堀越准教授は、RFIDの上に貼るだけでなく、「サラダなど温めたくない総菜の上にフィルム貼れば、最適な加熱調理も可能だ。病院食など、一度に多数の提供が必要となる食品の効率的な調理に応用できる」と期待を述べた。
RFIDは、経済産業省が25年までにセブン―イレブンなどのコンビニエンスストア全取扱商品での利用を目指す方策を打ち出すなど、流通業界での導入が進んでいる。
ただ、電子レンジで加熱調理される弁当や総菜などでは発火の恐れがあるため、RFIDの導入が遅れていた。
(2017/11/10 05:00)
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