[ 政治・経済 ]
(2017/11/27 11:00)
最高度の警戒 噴煙4000メートル
【ジャカルタ時事】インドネシア火山地質災害対策局は27日、観光地バリ島で噴火が続くアグン山の警戒レベルを最高に引き上げ、住民に警戒を呼び掛けた。インドネシア空港当局者はこれに関連し、バリ国際空港を28日朝まで閉鎖したと明らかにした。
空港閉鎖によってバリ発の国際線、国内線は運航を見合わせる。バリ行きの便については取りやめのほか、別の島の周辺空港への振り替えも実施する方針。バリ島は多くの日本人観光客が訪れる人気スポットで、ホテルの確保など大きな影響が出そうだ。
警戒レベルの引き上げに伴い、住民や旅行客の立ち入り禁止区域も山頂から半径6~7・5キロ圏内から同8~10キロに拡大した。
アグン山は21日に噴火したが、当局はこれまで「マグマ流出などが本格的に起きていない」として警戒レベルは据え置いていた。国家防災庁は引き上げの理由について、噴火のタイプが水蒸気によるものからマグマ型に変化し、26日夜にはマグマとみられる赤い光も確認したと説明。「大規模な噴火が起きる可能性は間近に迫っている」と述べた。
アグン山では25~26日に噴火が2回発生。26日には山頂から4000メートルの高さまで噴煙が上がり、バリ発着便が相次いで欠航するなど、観光客にも影響が出ている。
アグン山は標高3000メートルを超すバリ島最高峰で、9月中旬以降は火山性地震が頻発。対策局は同月22日、警戒レベルをいったん最高位に引き上げたが、地震の規模が小さくなったことから10月下旬には警戒レベルを一段階引き下げていた。
(2017/11/27 11:00)