[ オピニオン ]
(2017/11/29 05:00)
ロボットは人と比べられることが多い。この動作では人間の能力を超えたとか、人並みにバク転できるとか、何かと引き合いにされる。ただ専門家は「研究すればするほど、人間のすごさが分かってくる」と口をそろえる。
人は意識しなくても転ばず歩くし、持つものに応じて手の握りを変える。学んで多くのことができるようにもなる。それをまねるのが難しいそうだ。生命の誕生から数十億年かけて進化した人間に対し、まだ登場から100年にならない機械を比較するのは無理なのかもしれない。
ソフトバンクで『ペッパー』の開発責任者を務め、ベンチャー企業のGROOVE(グルーヴ)X(東京都中央区)を興した林要さんは「人間は生物の中で最も上手に進化した。新参者のロボットにはハードルが高い」と苦笑する。
ただ近年の進歩が著しいことも事実だ。人工知能(AI)や通信技術が進展し、音声・画像認識能力も向上した。接客を普通にこなし、企業の採用面接を担当するロボットも生まれている。
29日に東京ビッグサイトで「2017国際ロボット展」が開幕する。多彩な展示を見ながら人間のすごさ、ロボットの将来、そして両者のこれからの関係を考えてみるのも一興だろう。
(2017/11/29 05:00)