[ 政治・経済 ]
(2017/12/2 14:00)
政府・与党は1日、観光財源を確保するため、日本を出国する際に1人当たり1000円を徴収する「観光促進税」(出国税)を創設し、2019年4月から実施する方針を固めた。航空機や船舶を利用した日本人、外国人が対象で、14日にまとめる与党税制改正大綱に盛り込む。新税は、森林整備の財源に充てるため今改正で創設が決まった「森林環境税」とともに、1992年の「地価税」以来となる。
自民、公明両党の税制調査会は1日、初の合同会議を開き、観光促進税の創設を協議。19年4月の導入に異論はなく、制度の大枠が固まった。ただ「財源の使途を限定すべきだ」「低運賃の航路などでは一定の配慮が必要」といった指摘が出たため、使途の範囲などを今後詰める。
16年の訪日客と日本人の出国者数は約4000万人で、同税が導入されれば新たに年間400億円程度の財源が確保される見通しだ。政府は海外での訪日PRの強化のほか、案内標識の多言語化や出入国管理の円滑化といった受け入れ環境の充実に活用する方針。
政府は20年に外国人旅行者数を4000万人とする目標を掲げており、財源確保に向け、新税の議論が本格化した。導入に当たり、旅行費用の負担が増えるため訪日客の拡大に水を差すとの指摘がある一方、早期に税収を得るため19年1月からの実施を求める意見も一部で残っている。(時事)
(2017/12/2 14:00)