[ オピニオン ]
(2017/12/14 05:00)
久方ぶりに自分で車を運転して外回りをするようになった。地域性もあるのだろうが、全体に車の流れが優しくなったように思う。幹線道路に出る時や、右折の際の対向車が止まってくれる。当方も笑顔になり、次は譲ろうという気になる。
自動車の世界では、大きな変革が進んでいる。一つは“シェアリングエコノミー”。スマートフォンなどを介し、マイカーを空いた時間に貸したり、通勤時に他人を同乗したりして収益を得る。
そうなれば車の台数は半分以下になるという予測もある。トヨタ自動車はじめ日本勢を脅かすのは米ビッグスリーやドイツ車メーカー、電気自動車の米テスラではなく、この分野で先行する米ウーバーかもしれない。
もう一つは自動運転という革命的な技術だ。近い将来、車同士が通信して渋滞のない最適な交通整理が実現するだろう。乗客や荷物の多い車が優先レーンを走ったり、ゆっくりモードの車が対価を得て急ぎの車に道を譲ったりと、さまざまな利用シーンが予想できる。
シェアリングと自動運転によって事故は激減し、乱暴な運転も消える。確かにハッピーな未来だが、ドライバー同士の譲り合いの気持ちまでなくなってしまうのは、ちょっと寂しい気がする。
(2017/12/14 05:00)